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ミワいつか
2006/04/22(Sat)
大砂漠!


朝テントの入り口からランプの灯りが見え起きる。もう5時だった。4時に出発すると言っていたけど私達があんまりぐっすり寝ているので遅めに起こしたのかな。
準備もそこそこ荷物をまとめて四駆に乗り込む。寝袋は一晩で砂まみれになっていた。木がまばらに生える道なき道を行く。ボコボコ道なのに車は結構飛ばしていた。
車の中でモロッコの音楽を聴いていた。今まで聞こえてきたモロッコ音楽はアラブ寄りだった気がしていたけど、車の中で聞いた音楽はアフリカっぽい音楽だった。手を叩いたり運転手さんが歌ったりノリノリで車は進む。
まだ砂漠に着かないうちに朝日が昇り始めてしまう。車を停めてもらい、車の上に上って朝日が昇っていくのを眺める。地平線から上るオレンジ色の太陽。白い月もまだ空に残っていた。とても眩しく気持ちのいい朝。
日が昇り途中カエルの鳴くオアシスに立ち寄りシェガガ砂丘へ到着する。泊まったボガ砂漠の静かな感じも素敵だったけど決して砂丘の大きさの差はちょっとではなかった。大砂丘だった。朝ごはんの準備をしている間砂漠を歩く。砂漠には風紋と一緒にいろんな生き物の足跡が残されていた。私も足跡を残す。少し先の大きな山の上には他のグループがいた。
土で塗られたベルベルハウスの中でパンとジャムやら蜂蜜やらチーズやらの朝食。お茶もおいしかった。
朝ごはんの後大きい山に登りたかったのだけどすぐに出発だった。大きい山に登って砂丘全体を眺めたかった。それだけが心残り。行きとは別のルートでマハミドに戻り、ザゴラを目指す。このまま帰っちゃうともしかしてランチつかないんじゃないかとドキドキする。ツアーを決定したのも最初ランチ抜きなら1900DHでいいよ、と言われたのをランチも付けて、というとOKといわれたのが最後の決め手になったような感じだった。途中のお店に寄りパンと卵とナッツとヨーグルトを買っていた。卵を買っているしやっぱり作ってくれるんだ、という期待とヨーグルトとナッツをくれたからこれがランチなんじゃという不安と半々だった。
途中村によって人の家の庭のようなところに到着して絨毯を広げた。やっぱりランチあったのねと安心。運転手さんとガイドさんがお昼の準備をしている間木陰に敷かれた絨毯の上で横になる。風が気持ちよかった。またお茶を出してもらい、歌を歌ったりして出来上がりを待つ。
ナイフとフォークが並べられ、オレンジで飾られたサラダモロカンが出てきた。とてもきれいなサラダ。パンをちぎってパンですくって食べるのがモロッコ流だそうだ。まねするけどうまくできない。それでランチ終了かと思ったらタジンも出てきた。卵で閉じられたたまねぎとトマトのタジン。これもパンですくって食べる。サラダは少し残してしまったけどタジンはたくさんあったけど平らげた。満腹だった。
ガイドさんはいつかちゃんをファティマ・クスクス、私をアイシャ・タジンと呼んでいた。
食べ終わってまた男の人たちが片づけをしている間横になる。竜巻が2回、少し離れたところを通り過ぎていった。
車に乗り込みザゴラの町へ戻る。途中の道も音楽に合わせて手を叩いたり歌ったり。運転手さんは両手を離して手を叩いている。
オフィスに到着。前金を払ってすっからかんだったので銀行へ行きお金を下ろす。残りの代金を払い、マラケシュまでそのまま行こうと思っていたのだけど到着が午前2時という。迷いに迷って、乗り合いタクシーでワルザザートまで行き一泊してきれいになってすっきりしてからマラケシュまで行くことにする。
オフィスの前でガイドさんに別れを告げる。ザゴラまで戻る車の中でも眠っているいつかちゃんをじーっと見つめていたり、いつかちゃんのこと大好きだったはずのガイドさんもお別れの時はそっけない。いつかちゃんのこと大好きだったけど疲れに勝てなかったみたい。
運転手さんに乗り合いタクシー乗り場まで連れて行ってもらい、運転手さんとはそこでお別れ。決めるまで結構時間かかったし、迷いもしたけどすごく大満足なツアーだった。シェガガ砂丘での時間がちょっと短かったことだけが心残りだけど太鼓とかご飯とかすごく楽しかった!ありがとう!
乗り合いタクシーはお客さんが6人集まらないと出発しないらしい。とても暑いのでアイスが食べたかった。タクシー乗り場にも売店があったので覗いていると入り口はこっちだよ、と男の子が教えてくれた。入り口から覗いてもアイスらしいものは見当たらなかった。聞いてみたけどやっぱりなかった。男の子が向こうのお店ならアイスあるよ、という。英語が上手な男の子だった。連れて行ってもらうことにする。途中草で編んだガゼルをもらう。地球の歩き方に、もらったらお金を払うように、と書かれていたので貰うのに少し躊躇するけどプレゼントだと言う。アイスを売っている売店まで連れて行ってもらう。1DHのアイスがあったので連れて来てもらった御礼にあげる。
タクシー乗り場まで戻り食べていると砂を含んだ風に煽られてアイスが砂だらけになってしまった。それでもどろどろに解けつつあるアイスを口に入れ乗り合いタクシーに乗り込む。普通のベンツ(かどうかもあやしいけど)に運転手さん、助手席に2人、後部座席に4人乗る。かなりきつい。途中検問もあったけど停められることなく行った。
山道を超えて3時間弱の道のり。途中の町の景色や山の景色も楽しみながら、でも写真を撮る余裕はなく車に揺られる。前のおじさんは運転席に左肩、助手席に右肩という一番大変な体勢だったのに眠っていた。すごい。
ワルザザートのCTMバスターミナルでタクシーを下ろしてもらう。バスの時刻表を見ると8:30発と21:30発。4時間半かかるらしい。ちょっと朝早いけど8:30のバスでマラケシュまで行くことにしチケットを買う。今日はシャワーが浴びられて眠れればよかった。CTMの裏のホテルに行き、部屋を見せてもらう。2人で100DH。申し分ない部屋だった。フロントのおじさんの感じがすごくよかったし、ゴミ箱にビニール袋が賭けてあったり造花だけど花が飾られていたりと小さな気遣いが気持ちのよいホテル。
シャワーで体の砂を落とす。すっきりさっぱりした。Tシャツを洗ってみると砂が出続けた。繊維の間にまで砂が入っているみたい。荷物に着いた砂も落としてすっきりしてから夕飯へ向かう。すっきりしたら疲れがどっときた。らくだに乗るのに足の筋肉も使っていたのか腿が筋肉痛になっていることに気付く。背筋も疲労していた。
店も迷うことなくCTMバスターミナルの隣の店にすることにした。鳥&シトロンタジンを注文するけど終わっちゃったと言う。普通の牛タジンを頼み、乾杯用に炭酸ジュースを注文し夕飯にする。ここのタジンもまた少し違ったトマトの輪切りにパクチーが乗ったタジン。タジンははずれがない(kaawai以外)。食後にヨーグルトも注文する。会計をお願いすると、値段が間違っていた。だますつもりはないんだろうけどザゴラでクスクスを頼んだときも微妙に値段が間違っていた。ちゃんとチェックしないと。
戻って荷物も散らかったまま疲れて眠る。

砂漠で日が昇る。


朝、ガイドさんに声をかけられたのが5時。ジープが迎えにきた音には気がつかなかった。ガイドさんに起こされ、まだ暗い中ジープに乗り込み出発する。お世話になったここの主やラクダ使いや青年はたぶん外でまだ寝ていて挨拶もしなかった。4時出発の予定だったので予定より遅かったからか、猛スピードで飛び跳ねながらシェガガ砂丘を目指すジープ。星の残るうす闇に色がつき始め、あっという間に世界が明るくなる。後ろを振り返っても地平線にまだ太陽の姿はない。早くしないと朝日が昇っちゃう!!顔が見えなくても太陽はこんなに世界を明るくするんだということを実感しながら、もうちょっと待って!と祈る。しかしまもなく太陽が頭を出した。ジープをとめてもらい、屋根に上って日の出を見る。広大な大地にマイペースで上る朝日。太陽はいつもこうしていろんな人に見られているんだろうな。まだ月も空高く残っている。

さっきはやっぱり少し急いでいたのか、少しだけジープのスピードは緩くなったように思えた。ワジ(川)のあるオアシスに寄る。温かくて驚いた砂漠の川の水で顔を軽く洗う。遠くに見えた砂丘が近づいて土壁の家が見えた。車がとめられ、砂丘で寝ていたその家のベルベル人の主がガイドさんに起こされた(砂の上で寝ていたのかしら?)。挨拶をして、朝ごはんの準備の間砂丘を見ておいでと言われる。大きな実のついた植物や、たくさんの足跡。人間の足跡は深く沈むのでさーっと砂に埋もれて形を変えるけれど、糞ころがしの小さな足跡は何重にも交差している。昨日らくだで通った草花が点在する乾燥した地も、石ころがごろごろ転がる地も、泊まったボガという砂丘も、シェガガまでの砂利道や岩道も、そしてこのシェガガ砂丘もサハラ砂漠の一部。どこまでも砂というよりは大地という手のひらの上で風に吹かれては時々踊ったり、静かに休憩したりしたりしてその景観を変化させているみたい。砂丘が生きているといわれる感覚がわかった。向こうがどこまで続くのか見に行きたかったけれどあまり遠くまでは行けないうちに朝ごはんの準備が出来たと呼ばれる。土壁、絨毯のお家の中で、美味しいアラビアパンに3種類の美味しいジャム、チーズ、美味しいお茶の朝食をいただく。

朝食後わりとすぐに出発。シェガガはやはり遠いのか長く車を走らせる。戻りの景色も二重丸。カセットテープをポンとはたいて砂を落としてから、ベルベルミュージックがかけられる。ハスキーな声でドライバーさんが歌い、ハンドルから両手(!)をはなして手拍子をしたりノリノリのジープ。掴まりながら、手拍子をしながら、視線はずっと外にむかっていた。寄り道した井戸では荷物を運ぶらくだ隊がやって来た。村まで戻ってきたところでお土産屋さんに寄り、5種類の絨毯を見せられる。お茶もいただいたけれど、買う気がなかったので、説明も半ば途中で出てきてしまった。町でドライバーさんは飲み物を、ガイドさんはパンとナッツを買っていた。車に乗ってドライバーさんにもらうと飲むヨーグルトだった。ガイドさんにもらったナッツで、至るところで売られていた美味しそうだった「ナッツを買いたい欲」をちょっと果たす。安そうだけれどいくらくらいなのだろうか。

ツアーの交渉のときにランチを確かに入れてもらったけれど、ザゴラにだいぶ近いところまで戻ってきたようだ。さっきガイドさんにもらったナッツでランチをごまかされたりしないかな、とミワと心配していると、車は一軒の家の前でとまった。黒人さんの家族が出てきて彼の敷地を借りてピクニックするみたいだ。草木の壁を抜けると、木々が生え、花が咲く、気持ちのよい風が吹く空間があった。ガイドさんとドライバーさんの男性二人が食事の準備をしてくれる。お昼寝をしたり、黒人さんの家族の子ども達の写真を撮らせてもらったり、何もしなくていい幸せ。「ご飯が出来たよ」の声にやっていたことを放り出して走る幸せ。大自然に広げられた絨毯の上で五感を委ねて、理想的なランチタイムに運ばれてきたのは見た目にも鮮やかなモロカンサラダ!美味しいの「プサハッ」に、すごく美味しいの「プサオラハッ」を教えてもらって連発していたら、今度はタジンが運ばれてきた。このタジンの蓋を開けてもらう瞬間は一番興奮する。砂漠地方独自のカリアというものなのか卵とじのタジンが振舞われる。最高に美味しい。食後絨毯の上でみんなでリズムをとりながらベルベルミュージックタイム。歌詞の一部が「花びら〜♪」と聞こえるこのピクニックにぴったりの歌がとても気に入った。出発前に大自然トイレから戻る途中、黒人さんのお父さんに呼び止められた。地面に丸と長い線を書きながらフランス語で何か言っている。何だろう??一瞬コブラという3文字が聞き取れた。この辺りにはコブラがいるから危険だよ、とお父さんは自分の長靴を指しながら言っているみたい。コブラにお尻を噛まれていたら大変!

こうして砂漠ツアーは終わり、ザゴラで支払いを済ませて、久々の飛行機搭乗地であるマラケシュまでの工程をミワと相談する。砂だらけの体をハンマムというモロッコの浴場できれいにして夜行バスでマラケシュへ向かうか、ワルザザードまで行ってしまって一泊してマラケシュへ向かうか。迷ったもののマラケシュ着が深夜2時だったので、砂だらけのままワルザザードへ向かうことにした。乗り合いタクシー乗り場である塀の中までドライバーさんが連れていってくれる。数人の男性がタクシーを待っていた。乗り合いタクシーは人数が揃って出発するから何時発というのはわからない。暑いのでアイスクリームを探していたら、英語の達者な少年二人が、向かいの店に行けばあるということを教えてくれた。「アイスクリーム、アイスクリーム。」と言う私たちを先導してくれる子ども達とそれについていく私達を周りの大人がケラケラと笑って見ていた。葉っぱで折った動物をくれたりもしたのでお金を要求されないか気になったものの、先導してくれる姿があまりにたくましいので、1DHのアイスを一つずつごちそうする。買ったアイスは暑さであっという間に溶けてしまった。タクシーは前に2人、後ろに私たち4人の運転手さんを入れると計7人。ぎゅうぎゅうになって出発するとさっきの少年二人が追いかけてきた。連絡先を交換したかったらしく、ドアを開けてあせってアドレスやら電話番号を書く姿がかわいい。そんなやりとりを乗客全員に覗き込まれていた。小さなタクシーで地元の人とぎゅうぎゅうになって、ドラア谷を越え、数時間走って一人60DH。バスでも52DHぐらいだったから、こんな経験も面白い。

ワルザザードのCTMバス乗り場前でタクシーを降ろしてもらって、翌日のマラケシュ行きの切符を買う。朝8時半発か夜21時半発しかなかったので、翌朝の出発はまた早いことが決まった。すぐ裏のホテルに即決。砂まみれの体をシャワーできれいにする。最低限の洗濯で砂を落としてから(ザゴラで買ったコットンパンツにはほとんど砂がからんでいない。その土地の環境に適した素材で伝統衣装が存在することに関心)、そばのレストランへまたタジンを食べに行く。シャワーも浴びて、洗濯もして、ご飯も食べて、運動会の後のような、気持ちのよい疲れ。
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