Feb
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
Mar
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
Apr
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
May
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
Jun
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
Jul
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
Aug
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
ミワいつか
2006/03/06(Mon)
 


 
パリで材料探しの巻。


午前中、かなちゃんと買出しにいくつもりが朝ゆっくりしてしまい、かなちゃんは学校なので一人でクリニャンクールの蚤の市へ向かう。クリニャンクールは4番の終点。駅を降りると同じく蚤の市へ向かうというパリのおばさま二人が途中まで一緒に行ってくれた。朝ごはんいっぱい食べたはずなのに、市に入ってすぐのクレープを食べてしまった。肉厚で美味しいんだもの。探していたアンティークの店々を発見し、シャンデリアのパーツやアンティークビーズを少しずつ買う。荷物のことがあるので、厳選して少しだけ。

クリニャンクールの蚤の市からそのまま歩いてサクレクレール寺院へ。このルートは寺院の正面からでなく裏から入ることになるのだけれど、是非おすすめしたい。バゲッド2本を抱えたおばさまと、アンティチョークを無造作に放り込んだビニール袋を持っているパリジャンと、急な階段を地元の人の歩みに合わせてゆっくりと登っていったのがなんとも楽しかった。

寺院の脇の通りで、何人もの人が満ち行く人のスケッチをしている。地球の歩き方には書いてありそうなポイントだと思いながら、モデルになっている女の子と目が合って笑ったりする。通り抜けようとして声をかけられたので、お金がないことを告げたが「そんなのいいから。」と言う。何度も何度もお金ないと言っていると同時に「5分だけ僕に時間をちょうだい。」と言いながら書き始めている。明らかに5分以上の時間がかかって、誰が見ても私に似てないと言うだろう似顔絵に「20ユーロ。」と言われる。「描き始める前に何度もお金ないと私は言ったでしょ。」などと言うとしまいには「でも僕はただとは言ってないよ。」と。ちょっと話した感じはいい人そうだったけれど、そのやり方は嫌だ。「そんな風に騙すみたいにするなんて私は悲しい。」と言ったら「じゃあ、これはプレゼント。バイバイ」とスケッチを丸めて渡された。美術って何だろう?とまた思う。

少し滅入ってしまった気持ちを、サクレクレールの眺めが助けてくれた。モンマルトルの丘からの景色が目の前に広がって、一人なのに、周りに日本人だっていたかもしれないのに、思わず「わぁ〜。」っと声をあげてしまう。大きく深呼吸をした。教会の中にはたくさんの人がお祈りをしていて撮影は禁止。丘からの眺めをしばらく楽しんだあと、正面の方から階段を降りる。階段のふもとでカラフルな短い毛糸の束が落ちていた。ふと取り上げると、その先に長い毛糸が動いているのが見えた。動くかわいい毛糸の先を追っていくと、黒人男性が、白人男性の小指に毛糸をひっかけて何やらやっている。私がくいついて見ていたのだろうか、気づいたらもう一人の黒人男性が近づいていて、指に毛糸をひっかけ始めた。さっきの似顔絵描きのことがあったので、「お金ない。」だけでなく、「払えない。」とまで言わなければとも思ったが、これは興味があったので、いくらか聞いてみた。「コーヒー1杯くらいの値段だから大丈夫、大丈夫。」としか言わないので、手を引っこめてもう一度聞くと5ユーロ。「2ユーロしか持ってないから無理。」と言うとそれでも3ユーロと言われるが、結局2ユーロという約束となった。目の前でみるみるうちに、しかもきれいに毛糸が巻かれ、編まれていく。あっという間にブレスレットの出来上がり。最後はきつめにかた結びをされて、爪切りで毛糸を切っていたけれど、爪切りがベストな刃物なのだろうか気になった。出来れば毛糸の色を選ばせてほしかったけれど、この即興で何かその人が身につけるものを作り出すということに、ものづくりのヒントがある気がした。1ユーロと言えばそれでよかったかもしれないけれど、種をもらったので気持ちよく払う。やってもらったあと少し話したけれど日本語いっぱい知っていていい人だった。

本日のもう一つの目的、サクレクレールのふもとの繊維街に入る。TeTe(だったっけ?)というスイスのファスナーが同じヨーロッパということで買えないか探してみる。しかし、すばらしい日本のYKK。どこに行ってもYKKしかなかった。かなちゃんの友達に教えてもらったrue ch. nodierにあるSOTEMOというお店がかわいいものを扱っているらしいが、残念なことに閉まっていた。斜め向かいの店で仕事とは思えないやる気のないマイペースすぎる店員さんにさんざん待たされながら、かわいいリボンやレースがたくさんあったので、また厳選していくつか購入する。

明日はル・コルビジェのロンシャンの教会に行く予定だが、切符のことが心配なので、パリ東駅に寄って、まだ行くかどうかを迷っているミワの分は当日でも買えることだけ確認して、私の分だけチケットを購入する。ミワは今頃次のブリュッセルへ向かうバスのチケットを買ってくれている。ミワと待ち合わせているSt.Paul駅のヨーロッパ写真美術館へと向かった。一足先に私が到着して中に入ろうとしたら、もう展示が終わったとのこと。ついこの間えりと一緒に行こうと思っていけなくて、さらには少し知り合いの大さんという人が一作品の被写体になっているということで観たかったのに、なんと昨日で終わっていた。よさそうな美術館だったので、ますます残念。ミワもがっかりして、しかし時間ができたので、かなちゃんおすすめのファラフェル屋に行ってみた。ファラフェルというものを知らなかったので、ケバブみたいなものかと思ったら、これが美味しいのなんのって!真ん丸な一口サイズのコロッケやら、揚げなすやら紫キャベツやら、トマトやらいろいろ入っていて、見た目も味も楽しさ満点!たまたま買ったお店のオーナーが誕生日だったようで、写真を撮ってと託され、メールアドレスを聞く。ファラフェルはどこでもこんなに美味しいの!?美味しい食べ物に元気をもらう。

ポンピドゥーセンターでたまたまパリに旅行中の京都の従兄弟と会う約束をしていたが、まだ時間があるので、socolatex(12 rue du bourg l'abbe)という、ポンピドゥーの近くのボーンなども売っているというお店を探してみる。辿りついたもののお店は閉まっていた。店員さんのような人が出てきたけれど今日はお医者さんに行くので明日来て、と言われて入れてはもらえなかった。また残念。みわは先に帰って、私はポンピドゥーの一階のブックストアで従兄弟を待つことにした。すぐに電話がかかってきて元気そうな姿が現れた。何処へ行ったか、何処がよかったか、一通り話をしながらお茶しにいく。誤ってお酒しか飲めないお店に入ってしまって他へ移るときも、その後入ったカフェでも彼はなかなか流暢なフランス語で率先してお店の人と話してくれた。そういえば今はIAMASに通っているけれど、1年間だけ外語大でフランス語科だったことを思い出した。しばらくパリにいるそうなので、私が教えてもらった情報を、ファラフェル情報を一番に伝えた。
←前の日記次の日記→