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ミワいつか
2006/03/05(Sun)
サボアさん家




とても気持ちのいい時間


眠い目をこすりながら、朝シャワーを浴びるついでに洗濯をする。引き戸で小さなシャワーブースが完成するようになっていてかわいい。自分の仕事場とか持てる日がきたらこんなシャワーブースがあったら場所もとらなくていいなと思う。

ゆっくりして、RERのA線の終点Poissy駅ヘ向かう。チケットが使えるパリ市内を出ることをすっかり忘れていて、取締りの人にチケットを見せるように言われて初めて気がついた。最近のパリはキセルの取締りが厳しいようで、なくしたり、間違えたりしただけでも高い罰金をとられた話をたくさん聞いていたのでどきっとしたが、私達が本当に気がつかなかったことがわかったのか、切符売り場まで連れて行ってくれて、無事に買って戻ってくると、「よくできました」というようなことまで言ってくれた。

目的のコルビジェのサヴォア邸は、Poissy駅から50番のバスに乗るか、徒歩だと20分くらい。歩くための地図を持っていなかったが、尋ねた男性がたまたまサヴォア邸の近くに住むお父さんのところへ行くそうで、サヴォア邸まで一緒に歩いてくれた。建築を見に行くときは、目的の建築物までは絶対歩いて辿り着いた方がいいと思う。どんな町の中に、どんな風景があって建てられたのかが少なくとも感じられるし、その印象が対象の建築物への記憶を確かなものにすると思う。途中、「なぜ日本人は英語が話せないの?あなたはどう思う?」「なぜ日本人は海外に行くとどこにでもいるの?あなたはどう思う?」などなど英語で質問される。難しい質問だけれど、思った通りに(しかも英語だからきっとすごくシンプルに)答えてみる。途中の大きな教会にも寄ってくれた。

サヴォア邸は保険会社の重役だったサヴォア家の週末の家として1928年から1931年に建てられる。設計にその歴史を感じさせない、とても魅力的な建物だった。雨がぱらついたり、晴れたり、空も青空と雨雲が存在するような天気だったけれど、悪い天気ではない。“ピロティーの上の箱”ということで住宅としての主な機能は2階に設けられ、コルビュジジェの主張する新しい近代建築の五原則、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面(ファサード)」(近代建築の五原則)を体現しているという。動画で、その内部をおさめてみる。建築関係の知人が多いので、ここに感想を書くのは躊躇してしまうけれど、本当によい建築を見たときは自然とそこに長くいたくなる。とてもとても気持ちのよい時間。

帰りは小さな川に面した公園の中を通る。犬の散歩をしている人が多かった。駅のわりと近くのケーキ屋さんでプルーンのタルトを買う。ほっぺたが落ちそう!思い出すとよだれが落ちそう!建築の感想を伝えるよりこの美味しさを表現するほうが難しいなぁ。でも食べたから確実に記憶に残っている。

市内へ戻ってオペラのそばのインフォメーションに行くが、これといった情報は得られず、マドレーヌでミワが行きたかったお店に行ったりぷらぷらとポンピドゥーセンターまで歩く。第一日曜日は展示が無料(そういえばサヴォア邸でお金を払おうとしたら今日は要らないと言われた。パリはほとんどの美術館やギャラリーが第一日曜日は無料になるらしい)ということで展示を見ていたら、コルビジェのロンシャンの教会の模型があった。パリ滞在中に行こうと考えていたので、これはやっぱり行ってきなさいということか。ゆっくり展示を見ながら途中トイレに入ったところで、外からけたたましくノックをされて、「早く!」とものすごい剣幕のおばさんがドアの前に立っていた。ギャラリー内から人が出されて、強制収容所のシーンで見るような光景だった。展示を見終わっていないし、時計を見たらまだ20時54分。10分に1回、寝ている人形が起き上がったときにおでこに鐘があたって鳴る作品を、たまたまミワと二人同時にのぞきこんだくらいのタイミングで起き上がってきてカーンと音をたてたので、声をあげて笑ってしまったりして、いい気分で見ていたのに。美術って何かしら。美術館て何かしら。働いている人たちが早く家に帰って、その時間を大切にすることが優先な国。私たちも帰宅することにする。



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